活動報告 はじめての選挙2008 激闘編

選挙戦の舞台裏でどういうことが行われているか、みなさんご存知ですか?街宣車で名前を連呼してるだけ?いえいえ、見えないところでは、はっきり言って「死にそう」なことやってます。何度も経験されている方や、政党に属しておられる方はもっと違うのでしょうが……。

特に若い方に、選挙を身近に感じて欲しいと思い、30歳の時に初出馬した際のチーム浜田流選挙の舞台裏をご紹介します。


出馬表明、そして準備!

俺って信用ない!

2017年末に悩み抜いた上で出馬を決意し、友人らに協力要請など準備に取り掛かりました。

出馬の意思を伝えると、誰も信じてくれません。政治家って普通の人には縁遠い存在だと改めて思いました。

さらに、具体的に何をすればいいのか?ノウハウのない浜田にはいまいち分かりません。周りの人に聞いても、組織型選挙の話ばかりで、浜田には不可能なことばかりです。オリジナルの草の根選挙をやるしかない!そう決めたものの、実像がつかめぬまま、日々は過ぎていきました。


誰?

3月24日、立候補説明会に友人と一緒に行きました。
突然、噂すらない中、出てきた若造に周りの人の反応が明らかに変。普通は誰々が出馬してくるという情報が先に伝わるものなのです。おかげでこっちは大真面目なのに、市内中に「冷やかし」で参加した浜田という話が駆け巡ったのでした。


議論のような、喧嘩のような

公職選挙法により選挙期間中はホームページの更新が禁止されています。早くホームページを活用できる時代に合った選挙制度にならないと、お金のない浜田のような候補者は絶対的不利です。

以前から浜田の魚津への提言や勉強会で取り扱ったテーマを載せたこのホームページは、信念から実名を出していて、散々人に突っ込まれてきた代物です。今回、友人にニューデザインに作り直してもらいました。

大事な内容のチェックです。人をアッと言わせる経歴がない「普通の人」だけに、何としても自分が今まで考えてきたことを見て欲しい!伝わりにくいところはないか?見にくいところはないか?非現実的な無茶なこと言ってないか?友人とも考えがぶつかり、熱い議論というより、もはや喧嘩に。

「この表現は甘い!強さがまったくない!」「おまえの文章は抑揚がまったくない!」「知らない人が読むってこと分かってんのか!」 協力してくれた友人には夜通しきついアドバイスもらいました……。


伝えたいことはたくさんあるけれど

政治家は政策で選ばれるべきと浜田は考えています。

魚津にはせっかくNICE-TVがあるのですから、政見放送を行うとか、市役所や投票所に大きくマニフェストのような詳しい政策を掲げるとかしてもらいたいところですが、今の制度ではB6程度の小さな紙面でしかアピールできません。

書きたいことはたくさんあるけれど、字が小さすぎてもダメだし、きれいなキャッチコピーばかり載せたイメージ先行の物も嫌だし。実現不可能なことを載せても意味がありませんしね。これもまた徹底議論です。また喧嘩状態の議論になりました。みんな俺のために必死なんだな……。

今思えば、もっと伝わる表現あったんじゃないか?後で散々「分かりにくいよ」「周りに埋もれてるよ」と言われ、反省しかり……これが選挙戦、最大の反省点です。人に読んでもらうものは客観的な視点を突き詰めないとダメですね。


さらし者

市内中に顔の入ったポスター貼るなんて、恥辱の極みです。
子供の頃、イタズラされてる写真をよく見ましたし(これは立派な犯罪です)。でも顔と名前覚えてもらうことが大事な今の選挙では手は抜けません。

写真はちゃんとしてないとと思い、写真館で撮りました。ポスターのデザインも友人に作ってもらったのをベースに印刷所に頼みました。

どれも金額見て泣けました。一定の票が取れないとポスター代は自費になります。市役所にも立候補者にもお金のかからない選挙制度にしないと、「普通の人」は出馬できません。浜田みたいな変わり者しかやりません!

ついに選挙戦開始!

まずはポスター貼りから

徹夜続きの中、選挙戦開始です。
まずは市内中にポスター張りに出かけます。

掲示板って全部で130箇所もあるんですよ。人が1人でも住んでいる地域には必ず1ヶ所設置されます。人海戦術をとれない浜田には友人たちと手分けして、途方のない作業です。他候補は街宣活動始めてるのにひたすらポスター貼り。北へ南へ、山へ海へ。おかげで魚津の地理には詳しくなりました。





意外な気力勝負

浜田から公選ハガキが届いた方いらっしゃいますか?
あのハガキ、なんと2,000枚もあるんです。まず印刷するのに恐ろしく手間がかかります。浜田は「お金をかけない選挙」を目指している(それ以前にお金がない……)ので、全部パソコンとプリンタで自作しました。

でも、時間かかる!インク代半端ない!

1日中プリンタをフル稼働し、友人たちに手伝ってもらってなんとか刷り終えました。ハガキの内容も友人と激論の結果、違うコンセプトのが何種類かあります。初めてのことなので、何がベストなのか分からない。今見返すと、必死すぎる文面で恥ずかしい……。

印刷を終えたハガキから、すぐに宛名書きです。
そもそも浜田は2,000人も知り合いはいません。既に後援会があって多くの後援会名簿や町内会名簿があったりすれば、ハガキも足りないくらいなんでしょうけど。とことん今の選挙は、組織力のある人、お金がある人が有利です。

名簿を片っ端から持ち寄っても、最新のものが揃うわけではありません。相当数のハガキが宛先不明で返ってきました……。友人、家族総動員での宛名書きも体力勝負で、みんなヘトヘトです。


スーツを着た不審者

浜田の住んでいる三ケのコンビニ前で、朝は8時から「立ち番」をしました。
立ち番とは、通る人・車に肉声で名前と挨拶をします。まずは名前と顔を覚えてもらわなきゃ始まりませんから。

道でスーツ姿の人が叫んでいたら、それは政治家ですよ。決して変な人じゃありません。ちなみに近所では「変な人がいる」と噂されていたみたいです。知名度ゼロは厳しい!

「がんばっとんね。これ食べられ」って、コンビニでおにぎり買ってきてくれたおばさんがいました。ほんとお気持ちは嬉しいんですけど、もらえないんです。ごめんなさい。


なんか違う

選挙カーは使わないので、自転車で走り回りました。
都会の若手候補がよくやるあれです。むむむ!周りの視線が突き刺さる……。自分でも不審者だって分かります。これは編隊組んでみんなでやらなきゃ、何やってるのか分かってもらえないのかも。ただ「自転車の人」ということで覚えてもらえたみたいですが……。


大きな声ですいません

レンタル店で拡声器を借りてきて、街頭演説スタート。
なにせ車が行きかう街中で姿さらして、大声でしゃべるなんて、これもまた人生最大の羞恥プレーです。これで負けたら、この街で生きていけない……。

第一声、めちゃくちゃ緊張しました。覚えていた演説内容も頭真っ白で、カンペ見る始末。「原稿読んでるんじゃないよ」って思われた方、すいません!

目の前を他候補の街宣車が通ると、羨ましく感じちゃいますね。
でも、これが浜田のやり方です。「姿見てもらって、声聞いてもらってなんぼ!」 声かけてくれたり、手振ってくれたり、軽くクラクション鳴らしてくれる車もいて、ほんと嬉しかったです。そういう方がいると、気力が沸いてきます。

ちなみに選挙期間は良くも悪くも変な噂が飛び交います。
私に対しては、「赤ちゃん抱いた奥さんを立たせて、同情票狙ってる!」という噂流れてたみたいですけど、あの方「考えを知りたい」と言って、近くで聞いてくれていた方です。そもそも浜田、独身ですから……(今はお陰様で妻子がおります)。


体力の限界に挑戦

選挙戦終盤。いつまでも人の集まるところだけで、訴えていても仕方がない!仲間たちと街中を徒歩とダッシュで街宣です。街宣車があればいろんな所一気に周れるのでしょうけど、「車の中からよろしく」は浜田のやり方じゃないので、ひたすらしゃべりながら歩きます。時間とともに仲間の数も増え、勇気倍増!

とある場所で、越川先生と遭遇!駆け寄ってきていただき握手してくださいました。
「魚津は変わらなければならない!」と、政治信条が似ており、以前から一番気になっていた方です。まさか先生から声をかけていただけるなんて……。

何時間歩き続けただろう……気づいたら選挙戦終了まであと1時間……。声はかれてくるし、足も感覚がなくなってくる。残ってるのは気力だけ。

「お前、今までどこいっとったんじゃ!ワシはずーっと待っとったんじゃ!お前みたいな若い奴がやらんで魚津はどうなる!応援するから、魚津のために精一杯やるんやぞ!」

厳しくも温かいお言葉。今でも耳に残っています。一生忘れることはない。自分をわざわざ待っててくれてた人がいたなんて……。本当に励みになります。

こういう活動をしていて、一番嬉しいのが声をかけてもらえること。反応してもらえること。それだけで力が沸いてきます。それを実感できたことが、一番の収穫だったのかもしれません。

夜8時を迎え、選挙戦終了!
やり残したことはたくさんありますが、時間の許された限り、全力を尽くしたつもりです。

投票日、そして当選!

長い1日

早々と投票を終え暇です。
だからといって遊びに行く気になんかなりゃしない。投票率の途中経過がニュースで流れます。「前回より10ポイント低い」 厳しい……投票率が低ければ浜田のようなバックに組織を持たない人間にはめちゃくちゃ厳しい。

そして夜、開票スタート。選挙事務所(といっても自宅ですけど)で、協力してくれた仲間たちと速報を見ました。

 最初の速報、いきなり出遅れなくてよかった……。
 2回目の速報……。ストレスで胃が痛い……。
 3回目の速報、票が伸び悩みだした……。まだか。

最後の速報、977票でブービー!みんな大騒ぎするというより、安堵感が漂っていました。そういや必勝だるま準備してなかった!








終わってみて

組織もない、知名度もない、経験もない。そんな若造だから、「ふざけて出てきた泡沫候補」「ダントツ最下位はこいつ」なんて散々陰口たたかれてたみたいです。

気にしないようにしてても凹みますね。でも他の人たちも必死ってことです。でもそんなネガティブキャンペーンも、厳しい選挙戦の中で、大笑いを引き起こしてくれることがあります。一番笑ったのが……

「ITで一儲けした成金候補」

確かにIT業界で働いていましたけど、ただの安月給のサラリーマンですよ!あと前職がソフトウェア会社勤務だったもので、「服(ウェア)メーカーの人」という勘違いも。人の想像力っておもしろい。

こんな浜田のはじめての選挙でした。知らない方からの温かいお言葉、仲間たちの頭脳と体力の結集、そして家族の協力があったからこそできたことです。初めてのことばかりで、怒涛の1ヶ月でした。これからも、魚津のために怒涛の4年間に!


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